- エラーメッセージが出て、プログラムが実行できない。
- SyntaxErrorの解決方法がわからない。
こんな悩みを解決します。
Pythonを学習していると、避けて通れないのが構文エラー(SyntaxError)です。
「プログラムを実行しようとしたら、エラーメッセージが出てきた!どうしたらいいの?」と戸惑うPython初心者も多いと思います。
構文エラーは、コードの文法に問題がある場合に発生します。
一見難しそうに思えるエラーですが、その原因を理解すれば適切に対処できます。
この記事では、Pythonでよく発生する構文エラーの種類や原因、解決方法を具体例とともに詳しく解説します。
この記事を読み進めれば、構文エラー(SyntaxError)の解決方法がわかるだけでなく、エラーが出ないようにプログラムを書くことができるようになります。
構文エラー (SyntaxError)とは
構文エラーとは、プログラムの文法ルールに違反した場合に発生するエラーです。
構文エラーはプログラムの実行前に検出され、エラーメッセージが表示されます。
エラーを修正しないとプログラムを実行することができません。
エラーメッセージには、エラーが発生した行番号や原因が含まれているため、これを手がかりに問題を特定できます。
Pythonでは構文エラーのほかに例外(Exception)というエラーがあります。
例外はプログラム実行中に発生するエラーです。
主要な構文エラーの解説
SyntaxError: invalid syntax
最も基本的なエラーで、Pythonの文法ミスが原因で発生するエラーです。
主な原因
コロン(:) の付け忘れ。
関数やクラス定義のキーワード(def、class)が不完全。
文法に合わない構造を作っている。
解決方法
文法を確認し、正しい形に修正します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
if True # コロン(:)が必要
print("Hello")
正しいプログラム例
if True:
print("Hello")
IndentationError
インデントが不足していることにより発生するエラーです。
Pythonでは、インデントがコードの構造を示します。不適切なインデントが原因でこのエラーが発生します。
主な原因
インデントを付け忘れている。
スペースとタブが混在している。
解決方法
インデントを揃え、タブではなくスペースを使用します(通常4スペース)。
サンプルコード
間違ったプログラム例
def greet():
print("Hello") # インデントが必要
正しいプログラム例
def greet():
print("Hello")
SyntaxError: unexpected indent
インデントが不必要な場所にある場合に発生するエラーです。
主な原因
インデントが必要ない箇所でスペースが含まれている。
解決方法
不要なスペースやタブを削除します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
print("Hello") # インデントが不要
正しいプログラム例
print("Hello")
SyntaxError: unmatched ')', ']' or '}'
括弧が正しく閉じられていない場合に発生するエラーです。
主な原因
開き括弧と閉じ括弧の対応が不正。
ネストされた括弧が正しく閉じられていない。
解決方法
括弧を確認し、適切に閉じます。
サンプルコード
間違ったプログラム例
print(1 + 2 # 括弧が閉じられていない
正しいプログラム例
print(1 + 2)
SyntaxError: unexpected EOF while parsing
コードが不完全である場合に発生するエラーです。
主な原因
関数やクラスのブロックが途中で終わっている場合。
開いた括弧や文字列が閉じられていない。
解決方法
ブロックや括弧が適切に閉じられているか確認します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
def greet():
print("Hello" # 括弧が適切に閉じていない
正しいプログラム例
def greet():
print("Hello")
SyntaxError: invalid character in identifier
変数名に不正な文字(全角スペースや日本語など)が含まれている場合に発生するエラーです。
主な原因
英数字やアンダースコア以外の文字を使用している。
特殊文字や全角文字が含まれている。
解決方法
変数名をアルファベット、数字、アンダースコアに限定します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
変数 = 42 # Pythonでは非ASCII文字を変数名にできません(特定の環境を除く)
正しいプログラム例
variable = 42
SyntaxError: cannot assign to literal
数値や文字列などのリテラルに代入しようとすると発生するエラーです。
リテラルとは、ソースコードに直接記述された値のことです。例えば、整数(1、 2)、 浮動小数点数(3.14)、文字列("hello")などです。
主な原因
誤ってリテラルを左辺に書いている。
解決方法
リテラルを代入の右辺に書き換えます。
サンプルコード
間違ったプログラム例
42 = x # 数値リテラルに代入は不可能
正しいプログラム例
x = 42
SyntaxError: inconsistent use of tabs and spaces in indentation
インデントにタブとスペースが混在している場合に発生するエラーです。
主な原因
インデントに統一性がない。
解決方法
タブまたはスペースのどちらかに統一します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
def example():
print("タブ") # タブ(スペース4つ分)
print("スペース") # スペース3つ
正しいプログラム例
def example():
print("タブ")
print("スペース")
SyntaxError: invalid syntax for a keyword
予約語(if、def、classなど)を不適切に使用した場合に発生するエラーです。
主な原因
予約語を識別子として使用した。
解決方法
予約語を避けて別の名前を使います。
サンプルコード
間違ったプログラム例
if = 10 # 予約語を変数名として使用
正しいプログラム例
condition = 10
SyntaxError: invalid syntax with f-string
f-string(フォーマット済み文字列リテラル)の構文が間違っている場合に発生するエラーです。
主な原因
{}内の式が未完了、または括弧が閉じていない。
f-stringの構文に違反している。
解決方法
{}内を正しく閉じ、文法を確認します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
name = "Alice"
greeting = f"Hello {name" # 閉じ括弧がない
正しいプログラム例
name = "Alice"
greeting = f"Hello {name}"
SyntaxError: non-default argument follows default argument
関数の引数で、デフォルト値のない引数がデフォルト値のある引数の後に記述されている場合に発生するエラーです。
主な原因
デフォルト引数の配置が不正。
解決方法
非デフォルト引数を前に移動します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
def func(a=10, b): # デフォルト引数が非デフォルト引数より前に記述
pass
正しいプログラム例
def func(a, b=10):
pass
SyntaxError: duplicate * arguments in function definition
関数定義内で複数のアンパック演算子*を使用した場合に発生するエラーです。
主な原因
アンパック引数(argsや*kwargs)が複数記述されている。
解決方法
Pythonの関数定義では、argsは一度しか使えません。複数の可変長引数を定義したい場合は、argsと**kwargsを組み合わせます。
サンプルコード
間違ったプログラム例
def func(*args, *more_args): # *が重複
pass
正しいプログラム例
def func(*args, **kwargs):
pass
SyntaxError: positional argument follows keyword argument
キーワード引数の後に位置引数を記述すると発生するエラーです。
主な原因
引数の順序を間違えている。
解決方法
キーワード引数を最後に記述します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
print(end="!", "Hello") # キーワード引数の後に位置引数
正しいプログラム例
print("Hello", end="!")
SyntaxError: invalid syntax in comprehensions
リスト内包表記や辞書内包表記が間違っている場合に発生するエラーです。
主な原因
内包表記の構文が正しくない。
条件や計算式にミスがある。
解決方法
正しい構文に修正します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
squares = [x**2 for x in range(10 if x % 2 == 0)] # 条件が間違っている
正しいプログラム例
squares = [x**2 for x in range(10) if x % 2 == 0]
SyntaxError: can't use starred expression here
*(アンパック演算子)を不適切な場所で使用した場合に発生するエラーです。
主な原因
アンパックはリスト、タプル、関数引数などでのみ使用可能。
解決方法
アンパックを適切な文脈で使用します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
x = *[1, 2, 3] # リスト外でアンパック
正しいプログラム例
x = [*range(3), 4, 5]
SyntaxError: expression cannot contain assignment
代入式(=)を不正な場所で使用した場合に発生するエラーです。
主な原因
代入演算子=はステートメントとしてのみ許可されています。条件式内などでは使用不可。
解決方法
代入を事前に行うか、代入式の代わりに条件式を使用します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
if (x = 10): # 代入は式として使えない
print(x)
正しいプログラム例
x = 10
if x == 10:
print(x)
SyntaxError: multiple exception types must be parenthesized
except文で複数の例外をキャッチする場合に括弧を忘れると発生するエラーです。
主な原因
Python 3では、複数の例外をカンマで区切る場合、括弧で囲む必要があります。
解決方法
例外を括弧で囲みます。
サンプルコード
間違ったプログラム例
try:
x = 1 / 0
except ZeroDivisionError, ValueError: # 括弧が必要
print("Error!")
正しいプログラム例
try:
x = 1 / 0
except (ZeroDivisionError, ValueError):
print("Error!")
SyntaxError: generator expression must be parenthesized
ジェネレーター式を関数引数として使用する場合に括弧を忘れると発生するエラーです。
主な原因
ジェネレーター式を他の引数と一緒に使う場合、明示的に括弧で囲む必要があります。
解決方法
ジェネレーター式を括弧で囲みます。
サンプルコード
間違ったプログラム例
sum(x for x in range(10), 5) # ジェネレーター式が括弧で囲まれていない
正しいプログラム例
sum((x for x in range(10)), 5)
SyntaxError: invalid slice
スライス(start:end:step)が不正な形式で記述された場合に発生するエラーです。
主な原因
スライス構文に不適切なコロンや式を含む。
解決方法
スライス構文を修正します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
lst = [1, 2, 3]
result = lst[1:2::] # 余分なコロン
正しいプログラム例
lst = [1, 2, 3]
result = lst[1:2]
SyntaxError: cannot delete literal
リテラル値(数値や文字列など)を削除しようとした場合に発生するエラーです。
主な原因
delは変数やオブジェクトの属性にのみ使用可能。
解決方法
delの対象を変数や属性に変更します。
サンプルコード
間違ったプログラム例
del 10 # リテラル値の削除は不可能
正しいプログラム例
x = 10
del x
構文エラー対処法
VScodeの拡張機能を使用する
Pythonのフォーマッター(例: PylintやBlack)を活用すると、構文エラーを未然に防げます。
例えば、一番最初に紹介した「SyntaxError: invalid syntax」のエラーは図のように教えてくれます。
if True # コロンがない
print("Hello")
VScodeのおすすめ拡張機能はコチラの記事で紹介しています。
⇒Python開発で便利なVSCode拡張機能 オススメ15選!
ネットで調べる
構文エラーが発生した場合、エラーメッセージをコピーしてGoogleで検索すると解決策を見つけることができます。
ChatGPTなどの生成AIにエラーメッセージの解決方法を教えてもらうこともできます。
生成AIは間違った解決方法を提示することもあるので、繰り返し質問をしてみましょう。
また、生成AIが提示する解決方法が正しいかを、自分で公式ドキュメントや信頼できるソースで確認しましょう。
構文エラーの削減に、プログラミングスクール
構文エラーをなくす方法として、 プログラミングの知識を増やすことも重要です。
Pythonは独学で学ぶことが可能ですが、効率的に学習したい場合はオンラインスクールを活用することをおすすめします。
オンラインスクールを進める理由は次の通りです。
- 学習カリキュラムが整っているので、体系的に学ぶことができる。
- 時間や場所を選ばずに、自分のペースで学習できる。
- 学習で詰まったときに、気軽に質問できる環境がある。
オンラインスクールは、Pythonを効率的に学習する際に非常に有効な方法といえます。
ただし、メリットとデメリットを理解した上で、自分に合った講座を選ぶことが大切です。
おすすめのオンラインスクールは次の3つです。
おすすめオンラインスクール
コスト重視:デイトラ ☆特におすすめ☆
AIスキル重視:Aidemy PREMIUM
転職重視:キカガク
オンラインスクールについては、コチラの記事で紹介しています。
⇒【2024年4月】Pythonオンラインスクール おすすめ3社を厳選!
Q&A
構文エラーとは何ですか?
構文エラーとは、プログラムの文法ルールに違反した場合に発生するエラーのことです。
構文エラーはどうやって解決すればいいのですか?
まずはエラーメッセージをよく読んでください。
どの行で、どのようなエラーが発生しているか詳しく書かれています。
エラーが解決できない場合はどうすれば良いですか?
コミュニティフォーラムや生成AIに質問すると、解決策が得られる場合が多いです。
まとめ
この記事では、Pythonでよく発生する構文エラーの種類や原因、解決方法を具体例とともに詳しく解説しました。
構文エラーは、プログラミング初心者が必ず遭遇するものです。
この記事で紹介したエラーの原因と解決方法を参考にして、効率よく問題を解消しましょう。
この記事をブックマークして、構文エラーに遭遇したときに参考にしてください!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
ご意見、ご感想があれば、コメントを頂けるとうれしいです!!